葭田歯科医院

研究概要

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2016年6月第27回日本スポーツ歯科医学会学術大会発表
マウスガードが発音に与える影響 -音声認識ソフトを用いた解析-

諸言

 近年さまざまなスポーツにおいて歯及びその他の口腔組織を外傷から保護する目的でマウスガード(以下、MG)の使用が推奨・義務付けられている。現在MGには大きく分けて、市販の既製品を成形して使用するタイプ(以下、既製品MG)と、歯科医院で歯列模型を作成して作成するカスタムメイド(以下、カスタムメイドMG)の2種類がある。前者は安価かつ短時間で作れるが、適合性が悪いことによる強い違和感や発音障害など様々な問題が指摘されている。今回筆者らは音声の聞き取りやすさに着目し、音声認識ソフトを用いてMGが発音に与える影響について定量的な解析を試みた。

マウスガード

結果

既製品MG装着時は非装着時と比較して音声認識の正解率が低下していた。既製品MG装着時と比較してカスタムメイドMG装着時はすべての被験者において認識率が向上していた。以上の結果から、今回我々が用いた音声認識ソフトを用いる評価方法は再現性が高く、より定量的な音声解析が行える可能性が示唆された。

マウスガード

2015年9月日本医用歯科機器学会発表
歯科材料の新しい使い方、硬質スプリント エルコジュールA1について

硬質スプリント

諸言

新製時は良かった総義歯でも、長期間の使用により不具合を訴える場合が多い。床裏装し粘膜面の調整を行っても、咬合低下した義歯は適合しない。咬合高径の低下した総義歯に、患者自身で取り外し出来る咬合挙上板を作製して入れてもらい、挙上板有り無しどちらの咬合高径がより安定するか試していただいた。咬合挙上板を入れた義歯が、より安定することを実感していただいてから、新義歯を作製している。

結果

多くの方がエルコジュールA1で作成した咬合拳上板を入れると義歯が安定し、咬合高径低下により不具合になっていたことを実感された。咬合圧の強い方では変形する場合があったが、それでも高径低下を実感してもらうという初期の目的は果たせた。実際に義歯を作成する際には、咬合はエルコジュールA1の厚さ0,6㎜より低下していると考え、治療用義歯の咬合面にレジン添加して咬合高径を数ミリ回復した。

2015年3月音響学会発表
義歯の舌房の拡大が発音に与える影響

義歯の舌房の拡大が発音に与える影響

諸言

義歯による発音時の不快感や発音の困難感などの発音障害は、義歯装着における主たる不満の一つである。これは義歯の存在や動揺により舌や頬粘膜の運動が妨げられることにより起こる。一方でこれまで義歯がどのように発音に影響を与えるかについては、顎補綴など特別なケースを除けばほとんどなく、一般の義歯による発音障害の実態については不明な点が多いのが現状である。

結果

舌房を回復した新義歯装着時に新義歯・旧義歯で発音した音声を録音し、音声分析ソフトを用いて比較した。その結果、患者が発音しやすくなったと答えた新義歯ではフォルマント五角形の面積が増加し、F2-Rangeが増加する傾向が見られた。「さ」音では子音部の音圧変化が観察されるようになり、母音のピッチ曲線は平たん化する傾向が見られた。「し」音においては子音部の音圧が平たん化し、母音のピッチ曲線が平たん化する傾向が見られた。

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